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Channel: シネマパラダイス »映画(ラ行)
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ライブ・フレッシュ

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久しぶりのスペイン映画です。
アルモドバルは「ハイヒール」の頃から派手好みで好きになれなかった。
だから彼が世に送り出した二枚目俳優のアントニオ・バンデラスともぴったり重なって、どうもこちらのほうも私は気がのらないでいたのですが・・・。
ところが今度のドラマは導入部から私を引き込みました。相変わらずのコケおどしで、いきなり女の死にそうな叫び声、それがクリスマスを過ぎた静かなマドリッドの夜の空気を騒がすのでした。
すると美しい売春婦がひとり、産気づいて苦しみながら街に飛び出し、帰りを急ぐバスの前に立ちはだかって停め、車に乗り込みます。
彼女に付き添っていた女性の落ちついたリードで彼女は病院につくまえに無事出産し、そこにハンサムな男の子がひとり誕生したのでした。

しかし女たちってなんと素晴らしいことをするのだろう!と男の私はこのシークエンスにいきなり感動してしまったのですが、本当によかったのはそこまで。
20年後、20歳に成長したハンサム青年ビクトル(リベルト・ラバル)は悪くはない。少なくともバンデラスよりはずっといい味をしています。
つい先週ディスコで童貞を失った・・・なんていうのが似合う、可愛い風情です。
イタリア領事の娘、エレナになるフランチェスカ・ネリもとてもセクシーだし。

この後、ふたりの刑事とその妻クララ(アンヘラ・モリーナ)が加わって目茶苦茶にもつれ合うのですが、そこにピストルの撃ち合いが加わるともうダメ。
誰が誰を撃ったのかもさっぱり分からなくなって、その後は私には何が何だか??

先週まで童貞だったビクトルはエレナを思い出すだけでもう気が狂いそう。やっとの思いでエレナとの再会を約束し、訪ねていくとなぜか彼女は不機嫌で彼にピストルを向けるのでした。
銃声を聞きつけたパトロール中の刑事ふたり、サンチョ(ホセ・サンチョ)とダビド(ハビエル・バルデム)。
みんなピストルを持ちながら取っ組み合いのもつれ合い・・・すると銃声が一発して、撃たれたのはなんと刑事のダビドでした。

実は後で分かることですが撃ったのはサンチョで、妻(クララ)の浮気相手がダビドだと考えてわざと撃ったのでした。
しかしビクトルはエレナに罪が及ぶのを恐れて、4年の刑に甘んじることにしたのです。
出獄して母の墓を訪れ、不孝を詫びているとたまたま隣ではエレナが父の葬式をやっていました。あまりにも美しいエレナとの再会!

しかし、エレナは腰を撃たれたダビドと結婚していました。
なんといまやダビドはパラリンピックのバスケットボール選手で国民的ヒーローになっていたのです。
ふたりが愛し合っているのを見て激しく嫉妬するビクトル。

その後、エレナとビクトルの夢のようなセックスシーンもあったのですが、男と女の愛と嫉妬と裏切りの絡みをを頭の中で整理するのに、しばらくの時間を必要としました。
人間の救いがたい魑魅魍魎ぶりが好きな人にはぴったりのドラマかもしれません。

点数・・・95点。エレナの変貌ぶりに驚かされますが、冒頭のシーンには感動させられました。


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